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骨董用語

アタリ

胴の部分に他の物が当たってできた放射状のニュウと釉薬のキズのこと。

アマ手 (あまで)

焼成が不十分なために、表面全体にカンニューが入ってしまった物のこと。叩くと鈍い音がします。九州では無キズとして扱うようです。

合箱 (あわせばこ)

品物が本来の箱に入っていないで、それらしい別の箱に入っていること。持ち主が改めてあつらえた箱は値打ちが生じます。

イシハゼ

焼成時に、素地の中にあった石が表面に出てきたもので、石かみとも呼ばれます。石がはぜた感じが、良い景色としてとても珍重されています。

カイラギ

梅花皮とも書く。釉薬がちぢれて鱗状になっていること。井戸茶碗の高台脇九谷焼の口縁に見られます。無キズとして扱われます。

鹿背 (かせ)

鹿の背にあるような斑点のことで、御本(ごほん)の特長です。

カマキズ

焼成中に自然にできた疵のこと。製作過程で生じたホツやソゲの上に釉薬が掛かった状態のことです。無キズとして扱われます。

カンニュウ

釉薬上に留まっているヒビのこと。焼成したての器が急に冷えると生じます。磁器の場合は、価格が低くなります。

完品 (かんぴん)

キズや欠点が無い完璧な状態の物のこと。

極箱 (きわめばこ)

作家の後継者や親族または鑑定者が、本人の作品であると認定した箱のこと。箱には認定した人の箱書があります。評価としては、共箱と同等の扱いとなります。

金継ぎ

キズの修理方法の一つで金直しとも言う。ホツやニュウを漆で埋めた後に、その上から金粉を蒔いて金で継いだように補修することです。銀を蒔けば銀継ぎと言います。表にある場合は、完品価格の4〜5割減になります。本来なければいけない部分をそっくり金継ぎしてある場合は、完品価格の3〜4割減になります。五枚セットのうち一枚に金継ぎがある場合は、四枚分の価格かそれ以下になります。

御本 (ごほん)

名前の由来は、桃山時代の茶人が日本から見本(お手本=御本)を朝鮮の釜山窯に送り、そこで焼かせた茶碗に鹿背(かせ)が現れたことから、現在では、鹿背がある陶器を御本と呼ぶようになりました。

ゴマ

器物の表面に窯中の薪の灰が降りかかり、高温により溶けて自然の灰釉となり、黄、金、黒、青などの胡麻粒のようになったものです。灰が多くかかり高温で流れるようになると、玉だれ、流れゴマと呼ばれるものになります。

上手 (じょうて)

優れた品のこと。作りの良い品・気品のある品・手の込んだ細工品がこれに当たります。反対の状態を下手(げて)と言います。

スレ

使ってできた擦りキズのこと。たくさんのスレはキズ扱いになります。

ソゲ

口縁や高台の片側だが欠けることでハマグリとも言う。ホツと同様にキズとして扱われます。

共箱 (ともばこ)

作者自身の箱書(署名)がある箱のこと。作家物の書画・やきものなどは、それを納める箱も同時に作られるのが原則です。その場合、箱の蓋の表か裏に作者あるいは茶人が箱書きをします。箱が無い品物の価格は共箱の半分以下になります。

トリアシ

高台の内側に放射状に入ったヒビのこと。鳥の足跡のように見えるのでこう呼びます。キズと見なされます。

ニュウ

ヒビのこと。ヒビが釉薬だけに留まらず、胎土まで入っている状態を言います。一般にニュウはホツより嫌われます。大きなニュウが入っている場合は、完品価格の1割程度にもなりません。ホツからニュウが入っている物は商品価値がほとんどありません。

ヒッツキ

焼成中に器同士が接着したときにひとつを犠牲にして他を生かし、生かした器に残るくっついた痕のことを言います。無キズとして扱われます。

ピンホール

釉面に生じた針で突いたような微細な穴のこと。焼成中にできる穴のため、キズ扱いにはなりません。

フリモノ

器の表面にできる黒褐色の点のこと。焼成中に灰などの不純物が器の上に降ってきて、それが付着したまま焼き上がった部分を言います。鉄埃痕(てつぼこりあと)もこの仲間です。無キズとして扱われます。

ホツ

口縁や高台が欠けていることでホツレとも言う。ニュウについで価格を下げるキズです。ホツのみの場合は完品価格の7〜8割減となります。

無キズ

ホツやニュウが無いこと。焼成中にできるカマキズやフリモノなどがある物も無キズに含まれます。

ムシクイ

口縁の釉薬が剥がれて胎土が見えること。虫が蝕んだように見えるので、茶人がそう呼んで風情を鑑賞したようです。無キズとして扱われます。

ユギレ

釉薬がかかっていない箇所のことで薬切れとも言う。無キズとして扱われます。

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